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国際ボランティア学会 
The International Society of Volunteer Studies in Japan

阪神・淡路大震災以降日本の社会にボランティアに対する理解と関心が広がってきている。ながくボランティアといえば福祉、しかも弱者救済的な狭い理解が中心であった。またその関係で学問研究も社会福祉分野において担われる傾向が強かった。しかし大震災のボランティア活動はその枠を超えて大きな広がりを見せた。

 またこの活動には国際的な連帯が見られたことも特徴的であった。20世紀、人類が科学技術を大きく発展させ地球を激しく開発した。その結果われわれは地球の資源枯渇の問題や環境悪化にともなう人類生存の危機を21世紀へ持ち込むことになってしまった。いま日本の政府、NGO(非政府組織)、NPO(非営利組織)も含めて地球規模の諸問題解決のために世界的なネットワークで取り組みが始められている。

 日本の市民は震災を契機にボランティアヘの理解・関心を広げ、さらにそれが世界的な文脈で地球や人類の利益に関わっていることを認識するようになっている。また、政府、行政、企業もまたボランティアヘの関心を持ち始めている今、学問研究分野も積極的なかかわりが期待されている。ボランティアに関連する学問は大きな広がりの中で研究が進められ、かつそれらが有機的に結びつけられなけれぱならない。

 ボランティアの原理、理念が究明されるためには、心理学、哲学、宗教学やそれらに密接に関連する社会倫理が問題になる。活動展開にあたっては、経済学、政治学、法学、教育学、社会学さらには医学・理学・工学・文化人類学など、さまざまな既存の学問分野を踏まえた学際的な協同作業が求められている。そこで、学会という自由で開かれた場の中でフィールドにおける実践を科学しつつ、「ボランティア学」の構築を目指したい。

 そのためにもボランティアの実践的な展開と日本における市民社会形成にむけてさまざまな現場で実際に活動を担っているフィールドワーカーや市民の参画が不可欠である。ともすれば日本のボランティア活動はその働きを地域や国内で完結し、国際的・地球的文脈で捉えることに意を用いることが少なかったのではなかったか。われわれの活動の成果をひろく世界に分かち合うことやそのための発信もまたこの学会の役割の一つである。

 国際ボランティア学会には従来の専門領域の学問研究を越えて、学際的な視点で国際的な協同を実現しつつ、複合的総合的な学会を目指すことが国内外から求められている。きたるべき21世紀に向かって地球とその社会をより望ましい形で次の世代に引き継いでいくためにも、あらゆる分野が連帯してしかも緊急に対処することが急務てある。

 私たちは違いを超えて学問研究の成果を分かち合い、それにもとづく実践を通して地球市民社会を実現するために「国際ボランティア学会The International Society of Volunteer Studies in Japan」を設立する。

1998年11月

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